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2006年12月15日 (金)

安倍内閣は本当に戦略的か?

 世論調査で安倍内閣の支持率低下が止まらない。

安倍内閣支持48・6% 10日で7・9ポイント急落  2006/12/06 17:46
 自民党の郵政造反組復党を受けて共同通信社が5、6両日に実施した全国緊急電話世論調査で、安倍内閣の支持率は48・6%となり、前回調査(11月25、26両日)から7・9ポイント急落した。9月の内閣発足直後の支持率は65・0%だったが、初めて50%を割り込んだ。 不支持率も35・3%で前回の24・1%から11・2ポイント増えた。
 政党支持率は、自民党が44・6%(前回43・3%)、民主党は20・3%(同16・4%)。公明党3・5%、共産党3・0%、社民党1・4%、国民新党0・6%、新党日本0・1%、支持政党なし25・0%だった。(北海道新聞)

 昨日の参議院(教育基本法に関する特別委員会)の様子を見ても安倍総理の頼りなさは一目瞭然で、彼を拉致問題などで見せていた最強硬派として支持していた人達の失望は如何ばかりだろうか。採決後に「安倍内閣の最重要法案の教育基本法を…」云々と安倍総理は強調していたが、果たして教育基本法を成立させたくらいで強硬派イメージの回復に資するものだろうか?大いに疑問だ。 高校での未履修問題が騒がれ、いじめ自殺が相次ぎ、大枚の税金を使ってのタウンミーティングでのやらせが明らかになる中で教育基本法改正(悪)案を通すことに如何ほどの意味があるのだろうか?安倍内閣反対の人にとってではなくて安倍内閣支持の人達にとってですよ。それにしても「断固、決然」のイメージのために「ろくでもない法律」を通される国民の方が「好い面の皮」だ。

 18日からは北京で6カ国協議が始まろうとしていますが日本の存在感はどれ程のものなのか?各国の利害が錯綜しているが主題は核問題であることは論を待たない。こんな中で国民受けするとして安倍総理が最も得意とする拉致問題は議題に乗せることすら難しいだろう。
 核保有国として認めるかどうかは言葉の文に過ぎない。アメリカは既に再核実験停止と核拡散防止に目標を定めていると思う。後は金正日の求めている安全保障をどう具体化するかだ。独ソ不可侵条約も日ソ不可侵条約も只の紙切れだったと理解している北朝鮮は単なる文書での保証では納得しない。だとしたら完成していないまでも核兵器を金正日が抱いていることは認める以外にないのではないか。中国やロシアの保証も金正日にとっては核兵器保持の安心感に遠く及ばない。

 北朝鮮には「6カ国協議に日本は参加すべきでない」と馬鹿にされているが、悔しいかな日本の出番は取り決め後の経済援助の段階になったときだろう。経済援助の時には拉致問題の解決で愚図ることは可能だ。日本のやれることは経済制裁ではなくて経済援助で愚図るしかないと言うことが明らかになる。小泉訪朝以前の対応に結局は戻ってしまうことになる。結局、安倍晋三氏の主張していた経済制裁論は空理空論だったことを日本国民は悟ることになる。哀れな話だ。

 北朝鮮の核実験に際して中川昭一政調会長を中心として「日本核武装論」がぶたれたが、同じ強硬意見の持ち主であったはずの総理大臣安倍晋三その人が「非核三原則は変わらない」と宣言しなければならないところが日本の選択肢のなさを暴露している。日米同盟下の日本としては核武装の選択肢を持ち得ないと言うことを世界中に宣言しているに等しい。中川政調会長や麻生外相が「核武装論」を騒げば騒ぐほど日本の無力さを世界中に曝すことになる。  以前、チェイニーやボルトンが「北朝鮮が核武装すると日本も核武装する」との観測気球を盛んに打ち上げた時があるが、これは中国をして北朝鮮の核武装阻止にもっと積極的に関与させたいがためであって、日本の核武装を容認する意図が有ってのことではない。第一此の議論は日米同盟を危うくするものとして米政権内部でもすでに封印されている。

 中川幹事長は安倍総理を「国益に立脚した戦略の政治家」と持ち上げたが、戦略的に振る舞おうと思うならば自民党は安倍晋三氏を総理にすべきではなかったのではないか?谷垣を総理に据えて安倍達に騒がせる方が交渉上は効果的だったろう。交渉においては、野に強硬派をおいて政府は柔軟な姿勢を交渉相手に見せて相手の譲歩を誘うのが定石であり、最強硬派の総理が昨日まで同じ意見を吐いていた人を押さえつつ妥協を探るというのは打つ手のなさを暴露するようなものでとても戦略的に振る舞っているとは言えない。

 外交面では安倍政権は極めて常識的(自民支持層にとっても民主支持層にとっても)で悪くない。常識的なことを非常識なはずの安倍晋三がやるから一部の人達の不興を買っているのだろう。政党支持率にあまり変動が見られないことがそのことを証明している。風を呼ぼうと思うなら小泉総理のように振る舞うしかない。その代わり外交はストップだ。

 参議院選挙は安倍晋三で。次の衆議院選挙は本人が望むなら小泉純一郎再登板もあり得ると私は思っている。安倍後継が麻生では代わり映えがしない。谷垣はあり得るが選挙では自民党は負ける。今のところ小泉再登場が一番有力だと思う。自民党にとっては最善かも知れないが、日本国民にとっては最悪かも?

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