正月に「窮乏化理論」が頭をよぎるなんて…

昨日までは、今年の正月は天気にも恵まれ、嫌な事件もなく穏やかだねと言い合っていたところへ、東京で妹を切り刻んだ事件が報じられた。これから数日はテレビの格好の餌食になることが目に見えていますが、どちらかというと「いじめ」なんかよりは余程理解しやすい事件のように思われる。不遜ですが、放火で母親と兄弟を焼き殺してしまった事件は両親とも医者の家庭で、今回は両親が歯科医で兄も歯学部で当人も歯学部入学のために3浪中という。「こんな悲惨な結果を招くくらいなら幾らでも別の道を選択する道が有っただろうに?」と多くの人は思うのではないだろうか。しかし逆に考えると、親も親類もこんな悲惨な結果を普通は想像できないからこそ何浪してでも、金を積んででも医者や歯医者になることが無上の価値があると考えているのだろう。本人の適性や使命感などを考慮することなく一途に医者や歯医者に成りたがる姿を見ていると、「そんなに美味しい職業なのですか?」…と、皮肉の一つも言いたくなる。まあ、家族に酷なことは重々承知ですが…。
そうかと思うと今日のテレビで大阪のホームレスを取材したものが放映されていた。空き缶を拾ったり、時々頼まれ仕事をして報酬を得たりの生活で、公衆トイレの清掃も欠かさないと、そういい加減な生活態度でもないし、大晦日にはすき焼きを奮発し、小屋の入口には松飾りを施すと我が家よりは余程正月の風情を醸し出していた。前の事件とどうしても比較してしまうのですが、どちらが幸せかは分かったものでないなとつくづく思った。
大阪市は本日付で「弁明機会付与の通知書」を渡し、今月末には強制的に退去させる方針らしい。
「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」に基づき、2004年度から5カ年計画でホームレスの人の自立支援に関する実施計画を立て、巡回による生活相談や、就労を支援する自立支援センターの運営、仮設一時避難所の設置などの対策を講じてきた。(JANJAN)
と言うが、3ヶ月後には路上に放り出されているのが現状で、対策がちっとも効果を上げるようにはなっていない。当人達にとっては現状の方が余程自立しているのであって、生活の場を奪うよりも普通の生活が出来るような所得を得られるような支援があれば自然にホームレスはいなくなる。それが出来ないほど日本は貧しい国ではないはずなのにしようとはしない。
格差社会と言うが、これから後、ホワイトカラーエグゼンプションでも通れば死ぬほど資本のために働かされてホームレスの方が余程マシだと思う人間が増えるだろう。80年代にはマルクスの窮乏化理論は破綻したと言われたものだが、21世紀に入って再び窮乏化理論が現実味を帯びてくるなんて皮肉なものだ。
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コメント
資本主義も内部崩壊の過程に入りつつありますよね~
投稿: nyan-nyan | 2007年1月 5日 (金) 22時02分
こんにちは。
人間にとっての「価値」というのを本当に感じずにいられません。
「自立」というのも一体なんだろうと考えさせられます。
投稿: dr.stonefly | 2007年1月 7日 (日) 16時52分