教科書検定は止めた方がよい!
沖縄戦での住民集団自決に関して日本軍の「強制」があったという記述に対して修正を求める検定意見がついたことが話題になっている。
地歴公民のうち日本史では、沖縄戦の集団自決に関して「日本軍に強いられた」という趣旨を書いた7点すべてが「命令したかどうかは明らかと言えない」と指摘され、各社は「集団自決に追い込まれた」などと修正した。日本史の教科書は昨年も申請できたが、その際にはこうした意見はつかなかった。文科省は、判断基準を変えた理由を(1)「軍の命令があった」とする資料と否定する資料の双方がある(2)慶良間諸島で自決を命じたと言われてきた元軍人やその遺族が05年、名誉棄損を訴えて訴訟を起こしている(3)近年の研究は、命令の有無より住民の精神状況が重視されている――などの状況からと説明する。昨年合格した出版社には、判断が変わった旨は知らせるが、すぐに修正を求めることはしない方針だ。 (朝日新聞)
元軍人やその遺族が起こした訴訟については東京新聞が具体的に触れている。
集団自決については、作家大江健三郎氏の著書「沖縄ノート」などで、「自決命令を出して多くの村民を集団自決させた」などと記述された。これについて、沖縄・座間味島の当時の日本軍守備隊長で元少佐の梅沢裕氏らが、記述は誤りで名誉を傷つけられたとして、出版元の岩波書店(東京)と大江氏を相手取り、出版差し止めと損害賠償などを求めて2005年に大阪地裁に提訴した。同省は検定姿勢変更の理由を(1)梅沢氏が訴訟で「自決命令はない」と意見陳述した(2)最近の学説状況では、軍の命令の有無より集団自決に至った精神状態に着目して論じるものが多い-と説明。発行済みの教科書で、同様の記述をしている出版社に情報提供し、「訂正手続きが出る可能性もある」としている。(東京新聞)
自決命令があったのかどうかと設問を立てると、あったとは言えないことになることは当然ではないか。それは軍隊が慰安婦を直接管理したかどうかと設問を立てることと同じだ。兵士には玉砕という名で死ぬことを強制できても一般市民には命令は出来ないものだろう。しかし、沖縄戦では住民が投降することも許さなかった。兵士は元より住民が投降することも「情報が漏れる」という名目で背後から撃ったし、投降した住民をスパイとして処刑までしたという事実があるのだから、生き残ることに絶望することも分かろうというものだ。そんなときに手榴弾や青酸カリを渡されれば死ぬことに使う以外にないではないか。慰安婦問題もそうだが、軍隊が関与した証拠が無いだとか国家が関与した証拠が無いだとかと言い募ることに何の意味があるというのだろうか?
私の母も終戦当時中国にいた。ソ連軍が迫る中で日本人に青酸カリが配られた。「万が一の時はこれで死ぬように」と言われたそうだ。勿論死ぬことを強制されたのとは違うが、ソ連軍に蹂躙される地獄を想像したら唯一の光明は自殺の手段があることだったのではないか。その街の守備隊長がソ連軍との交渉に向かい、投降は中国軍に対してなされることになりソ連軍が停止したことで集団自決は避けられたという。その知らせを聞いたときに母はこれで助かったと思ったが、幾人かの友人が半狂乱になったという。彼女たちは既に子供達に毒を飲ませていたのだという。彼女たちに「我々は強制してないよ!」と言うのか、それとも「十分に守れなくて申し訳なかった」というのか、それによって軍隊のそして国家の性格が知れようというものだ。
教科書検定は今後、国際問題になるかも知れない。教科書の記述が正確でないというなら書き直されることは当然だ。しかし政治的な思惑に左右されるような検定制度は止めた方がよい。強制があったかどうかと問題を立てるよりも、具体的な事例をもっと取り上げて当時の市民や兵士がどうした選択に直面していたかを考えさせる方がずっと子供達の教育の為になるだろう。具体的な事例を隠し、強制がなかったとするなら、それは歴史を歪曲する意図を当然疑われることになる。
安倍総理は一体何をしたいと思っているのだろうか?小泉前総理のように「アメリカ一辺倒でどこが悪い!」と、居直れるとも思えない。彼は小泉ほど身軽ではないだろう。彼の背後には宗教団体やら右翼やら暴力団やらがうごめき、政治経済利権の噂にも事欠かない。元満州国商工大臣の祖父岸信介も大叔父佐藤栄作も結局はアメリカに日本を売り渡すことによって栄達を遂げた。彼も日米同盟を称揚し、同じ道を歩むのだろうか?若干の国粋主義的な臭いも感じるのだけれど、そうとするとアメリカとの矛盾も深まる。この辺がアメリカで従軍慰安婦問題が出てきた背景にあるのだろうか?
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コメント
>教科書検定は止めた方がよい!
中国や韓国の教科書が国定で
反日一色なのはご存知ですか。
投稿: | 2007年3月31日 (土) 18時48分
とにかく慰安婦問題については、小林よしのり著「戦争論2」の「総括・従軍慰安婦」を読んでみてほしい。
あらゆる関連本の中で一番良い。
この問題の全容も把握できる。
投稿: a | 2007年4月 2日 (月) 11時53分
トラックバックありがとうございました。
競艇場からみた風景さまからたどって、あっちこっちのブログを見て回りました。なかでも青酸カリ自決の話には、考えさせられました。
自分のコメント欄で紹介させていただきます。
ところで4月2日11時53分のコメントは、同じ文章が前からあちこちについています。コメントポスティング代行業なんてあるのかな。
右だ左だではなく自分の見聞きし考えたことでなく、いかにもワンパターンなコメントをつけるという人も、世の中にはいるのですねえ。
投稿: kuroneko | 2007年4月 3日 (火) 10時26分