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2007年7月 7日 (土)

盧溝橋事件70周年 日本政府も中国外交に学べ!

 今日(7日)は盧溝橋事件70周年となります。中国では一斉に「七七事変」に関する論評が配信されることでしょう。中国から歴史問題を持ち出されるとカッとする向きもあるかと思いますが、去る3日、米国のロバート・ジョゼフ核不拡散問題担当特使(前国務次官)の発言に対する日本政府の対応と合わせて考えてみたい。

 北京週報によると秦剛報道官は3日の定例記者会見で次のような発言をしたそうです。

 中日間の歴史問題の処理において、中国政府は一貫して「歴史を鑑(かがみ)として未来に向かう」を主張してきた。われわれが歴史を忘れないのは、現在の得難い平和と幸せな生活を大切にすることで、さらに素晴らしい未来を切り開くためだ。今年は「七七事変」70周年であり、南京大虐殺70周年にもあたり、非常に敏感な年だ。われわれはなおさら「歴史を鑑として未来に向かう」精神を銘記し、関係する問題を適切に処理することによって、現在の中日関係の改善基調を維持し、発展させるようにしなければならない。

 読売新聞によると中国国営新華社通信は6日、日中戦争の発火点となった盧溝橋事件(1937年7月7日)70年を前に、「国の恥を忘れず、未来に目を向けよう」と題する論文を配信したそうです。ここ数年の日本政府やマスコミは「何度謝れと言うのか」との反応を示してきたのだが、中国は日本の侵略を招いた国力の弱さを国辱と表現しているのです。秦剛報道官の会見も「歴史を鑑とする」事で日本の頭を抑え、「未来に向かう」と言うことで日本の反中国化を牽制し、同時に中国人民に対して国力増強に集中することを求めている。ここに国際的なポジションを如何にして有利に保つかに腐心する中国外交の真骨頂を見る思いがする。

 翻って日本はどうだろうか?久間前防衛相が原爆を投下されたことを「しょうがない」と発言したように、アメリカに尻尾を巻いて恥じるところがない。更迭できずに辞任でお茶を濁した安倍政権も全くの同類であることを暴露した。一体どんなポジションを国際社会に於いて得ようとしているのでしょうか?アメリカのポチではとても国際社会に於いて尊敬を集めることは出来ない。

 米国のロバート・ジョゼフ核不拡散問題担当特使(前国務次官)はワシントンでの記者会見に於いて

 第2次大戦末期の広島と長崎への原爆投下について「文字通り何100万もの日本人の命がさらに犠牲になるかもしれなかった戦争を終わらせたということに、ほとんどの歴史家は同意すると思う」と、原爆投下を正当化する米国側の認識をあらためて示した。
(西日本新聞)

 どんな歴史家が同意したというのか?何故、何の批判も安倍政権はなす事が出来ないのか?こんな発言を平気で言わせていて安倍総理、塩崎官房長官をはじめとする政府は何の怒りも感じないのか?これで日本政府と言えるのだろうか?

 安倍晋三氏は「戦後レジームからの脱却」を標榜している。戦後レジームとは「東京裁判-サンフランシスコ講和体制」の事だと思うが彼らは「自虐史観」として南京大虐殺や従軍慰安婦問題を世界に向かって否定してみせる。しかしこれらは他ならないサンフランシスコ講話で受け入れた東京裁判の判決を攻撃するもので、連合国を含む全世界を敵に回すようなものだ。事は中国一国の問題ではないことに気付かなければならない。

 東京裁判で積み残したものは、そしてニュルンベルグ裁判でも同様に積み残したものは「戦勝国の戦争犯罪」だと私は思っている。敗戦国が戦勝国によって一方的に裁かれたことは事実であるが、それだけで両裁判を否定するものは殆どいないであろう。しかし歴史的事実として未だ裁かれていないのは「戦勝国の戦争犯罪」なのだ。第二次世界大戦の特徴は軍人でない民間人の大量死と言える。大量死と言ったけれど事実は昨年8月に「都市爆撃という戦争犯罪」に書いたように計画的な民間人の虐殺であった。「戦後レジーム」というならこれを忘れていませんか?…と言わなければならないのです。

 都市爆撃で主なものはナチスドイツの行った「ゲルニカ爆撃」であり、日本の行った「重慶爆撃」であり、イギリスの行った「ドレスデン爆撃」であり、アメリカが行った「東京大空襲」であり、「広島への原爆投下」であり「長崎への原爆投下」であった。このうち裁かれたのは日本とドイツの攻撃のみであり、イギリスとアメリカの行った攻撃は一切裁かれていない。どちらがより計画的、組織的に殺戮したかと言うことでは圧倒的に連合国側特にアメリカの攻撃が凄まじいのに、批判されていないどころか「歴史家が同意する」と言うほどに正当化することに恥じる様子がないのは、日本の防衛大臣が「仕方ない」と言い、政府も少しの「遺憾の意」すら示さない事によるのではないか?

 確かに「歴史は勝者によって書かれる」と言われるが、それが正義に叶うと言うことではない。戦勝国アメリカの戦争犯罪を批判することは正義に叶う行いと言える。戦勝国が裁かれないことが未だにアフガニスタンやイラクで民間人を殺して恥じない行為にまで繋がっているのではないか。

 世界に通じる正義の旗を立てないで何故「慰安婦問題に政府の関与はない」などと言うボロ旗を持ち出すのか理解できない。中国を抑えたいと思うならアメリカの支持を得なければならないし、アメリカの頭を抑えたいと望むなら中国やロシアの支持を得られるように振る舞うのが外交ではないのか?先月、慰安婦問題での意見広告をワシントンポスト紙へ載せたように決着済みで誰からも共感を呼ばない問題提起をすることは拙劣を通り越して日本国の国益を損なう行為と言える。しかし相手の不正義を批判するときにはこちらの不正義も真摯に反省していなければならないものだ。こちらの不正義を真摯に反省して初めて相手の不正義を告発できるというのは世の道理だ。一般ピープルが血迷ってこんな行動に走ったのならば仕方がないが理非曲直そして国益を判断できなければならない政治家達には許されるものではない。「村野瀬玲奈の秘書課広報室」にまとめられているよう前記の新聞広告に署名をした政治家達はこの道理が全く分かっていない。こんな政治家には今後一切、国の舵取りを任せることは出来ない。

 「中国は嫌いだ!」とばかり言っていないで、少しは中国外交を見習って欲しい。大国として世界に伍していくことなど夢のまた夢で、70年前同様にアメリカと中国の間で日本をどうしてやろうかと料理されかねない程の孤立感を最近は感じるのだけれど…。 外務省も政治家ももっと大人になってよ!
 
 木曜日の夜だったか、NHK「その時歴史が動いた」で石橋湛山が取り上げられていた。政治が私の意識に上ったのは60年安保以降なので石橋湛山に関しては何も知らないに等しい。アメリカからの自立の気概といい、日米中ソ同盟という構想の壮大さといい、こんなに毅然とした保守政治家がいたことに新鮮な驚きを感じた。総理就任後わずか65日で病に倒れ、その後を襲ったのが対米従属の岸信介だというのだから、随分悲惨な方向に「歴史は動いた」ものだ。岸信介が対米従属の路線を敷いたというなら、安倍晋三で対米従属に幕を下ろすことがあっても良いだろう。今度の参院選が「歴史の岐路」に立っているという実感がますます強くなってきた。

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