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2007年10月 8日 (月)

綺麗事では済まなくなった「テロ特措法」論議。

 ちょっと一息ついています。北海道の建築関係は仕事の山と谷との落差が大きいと言われていますが、今年はまた一層激しい。私もこの十日間ほど篭もりっきりで仕事に明け暮れして、秋晴れの空を見る度に虚しさが募り爆発寸前でした。もう少しで温泉に行けるぞ!

 休業状態の国会もようやく動き始め、それなりにチェックはしていました。古株をずらりと揃えた福田内閣は安倍内閣に比べて手堅さと安定感を勿論のこと感じる。丁度民主党が前原代表でこけて小沢代表で安定感を増したのと同様に。安倍晋三氏に比べて福田康夫氏の滑舌は勝っている。しかし滑らかに答えられれば答えられるほど官僚の作文臭さが色濃く感じられてくる。この内閣は福田氏の命名では「背水の陣」内閣だそうで、後がないという意味では自民党同様に官僚組織もそうだ。だから福田内閣は民主党政権を阻む為の自民党と官僚組織の最後の連合軍と言える。この陣形が崩れたら、戦後営々とアメリカに追従することで富と権力を手にしてきた自民党と官僚組織の嘘が表に出る。

 現在問題になっているテロ特措法による米軍への給油にまつわる嘘も今に始まったことではなく、自民党政権下で続けられてきた嘘の一つでしかない。現在自民党が恥ずかしげもなく言っている「日米同盟」への下地をつくった国民への大嘘は沖縄返還交渉だと思うが、アメリカの公文書の開示から証拠が次々と明らかになっているのにも係わらず自民党政府と外務省は認めようとしない。この点では安倍晋三も福田康夫も変わらず嘘つきだ。

 【ワシントン6日時事】1972年の沖縄返還後に米軍が核兵器を再び持ち込むことを認めた日米間の密約締結を示す公文書が6日までに発見された。この問題を担当した当時のキッシンジャー大統領補佐官がニクソン大統領あてに書いたメモなどで、核密約を明示した交渉当事者の公文書が発見されたのは初めて。密約の存在について否定を続ける日本政府に対して決定的な証拠が突き付けられた格好だ。

 見つかったのは、最近機密指定を解除された69年11月12、13日付のメモなど。日本大学の信夫隆司教授(日米外交史)が今年8月に米国立公文書館で発見した。
 佐藤栄作首相の密使として派遣された若泉敬氏(当時京都産業大学教授、故人)が94年に出版した「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(文芸春秋刊)によると、69年11月19日からの日米首脳会談を前に、若泉氏と同補佐官は沖縄から撤去される米国の核兵器を再び持ち込むための方策と摩擦になっていた繊維問題について交渉を続けていた。両日のメモは若泉氏との話し合いを踏まえた大統領への報告になっている。

 メモの表題は「沖縄返還後の米国の核持ち込みと繊維問題に関する日本との秘密交渉」。この中で、キッシンジャー補佐官は首脳会談の進め方を記した日米間の「申し合わせ」について、「沖縄への核兵器持ち込みに関する秘密の日米合意に伴う佐藤首相とあなた(大統領)の台本となるべきゲームプランだ」と説明している。密約を意味する「共同声明の秘密議事録」という表現も使用された。


 今現に続けられている西山太吉氏の裁判においても、沖縄返還への密約を裏付ける証拠は補強されつつあるにもかかわらず依然として認めようともしていない。テロ特措法の日本国民への嘘も沖縄返還の嘘の上にある。この嘘が崩れ、自民党政権が途絶える事は、戦後の歴史の書き換えを迫るほどの威力を持つものだ。

 自民党政権にとっては年金問題は誤りを認めることは出来ても、日米関係で続けてきた嘘は余りに影響が大きすぎて訂正することは不可能だろう。国民の側から言うと年金問題は自民党政権でも修正が可能かも知れないけれど、日本の自立は一貫して対米従属を推し進めてきた自民党政権では不可能だと言えるだろう。

 安倍晋三氏の「戦後レジームからの脱却」と「日米同盟」は普通に考えれば論理矛盾も良いところだ。安倍晋三氏の頭の中で統一されていたとしても理解しがたい。日本国民にとっては復古的すぎるし、アメリカの傭兵化に繋がり批判されたが、アメリカにとっても反ファシズム戦争を否定するものと映ったようで批判を呼び起こした。皮肉なことに安倍政権の最大の功績は、日本人をして「対米従属からの脱却」に思い至らせた事といって良いだろう。

 自民党はテロ特措法での補給活動を「アメリカの戦争」への加担ではなく「国際貢献」だと主張して国民を言いくるめようとしていたが、民主党が補給は紛れもなくアメリカ軍への兵站を担っていることであり憲法違反と主張し、アメリカのイラク戦争への加担ではなくて国連の承認があり、アフガニスタンへの支援を字義通り行うためにISAF(国際治安支援部隊)への参加を主張し出すと、自民党は「憲法違反」を言い出す始末となってきた。国民にとってISAFへの参加は相当ハードルが高いと思われるが「国際貢献」の議論としては来るところに来たという感じがする。

 国民が問われるのはテロ特措法であれ新法であれ、インド洋での補給は「アメリカの戦争への加担」であるが「安全で安上がり」であると認めて続けるのか、「国際貢献」というなら「危険をも厭わない」という覚悟をするのかということになる。単に補給を止めるか続けるかという議論では納まらない段階に至ってしまったことは自民党も民主党も望んでいた事かどうかは分からないが、抜き差しならないところまで来てしまったことも事実である。

 この議論はいずれやらなければならない事であると思うが社民党と共産党はこのハードルを越えることが多分出来ないだろう? 気が早いかも知れないが次の総選挙はこれが争点になるのではないだろうか?

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