裁判員制度が必要なのは民事の方!
「とんでも判決」が多い日本の裁判ですが、昨日示された大阪高裁の和解案も原告側を落胆させるだけの案であったようです。
関係者によると、和解骨子案は、国と製薬会社の法的責任には触れずに、「解決責任がある」と指摘。東京地裁判決を基準に、補償の対象となる投与期間を(1)フィブリノゲンは1985年8月-88年6月(2)第9因子製剤は84年1月以降と限定。その上で、肝硬変と肝がんは4000万円、慢性肝炎は2000万円、感染したがまだ発症していない場合は1200万円の3ランクに分けて補償する内容という。今後新たに提訴する患者は、投与時期がこの範囲内なら補償されるが、範囲外は救済されないことになる。
(中日新聞)
大きくは国の責任を認めると言っているのですが、責任範囲を厳しく限定しようとするその姿勢を見てしまうと、原告でなくとも裁判所は国の味方かと思わざるを得ないものがある。 判決ならばどんな判断も示せるが和解という以上双方が受け入れ可能なところを探し出さなければならないので仕方がないと言えば仕方がないのだが、どっちつかずの八方美人的なものになるのは如何にも残念だ。
しかしそれにしても、これまでの厚労省の示してきた製薬会社への天下りをベースにした、薬害隠しの有様はあまりにも酷すぎる。その意味では国の責任は厳しく断定されて当然だし、補償範囲も薬剤投与の証明と時期に適合するものと限定することは一見公平性を装うものだが、実際は厚労省のやってきた薬害隠しの所行を認め、将来にわたってこのような所行を奨励することにもなりかねない判断だ。薬害が疑われた段階で素早く動いていれば投与証拠の保全も可能だったろうし、感染の拡大も防げたのだから厚労省がやったことは故意と断定すべきところだ。
国の責任を認める以上は、投与の可能性が疑われる場合は認める以外になく、救済されないのは投与の事実が証拠を持って否定された場合のみと言うことになる以外にない。税金も大量に投入されることになるが納税者はこれを認めるだろう。納税者としては救済は当然だし、厚労省官僚の故意のサボタージュの責任をこそ問いたいところだ。原資がなければ「米軍への思いやり予算」を削って「日本国民への思いやり予算」を増やすよ。
こういう裁判にこそ市民を入れろと言いたい。 裁判員制度には基本的に賛成の立場ですが、順番が逆のような気がする。 一般の市民にとっては重大刑事裁判の審理に加わることは如何にも荷が重い。法律の専門家の検事や裁判官が「推定無罪の原則」をどれ程理解しているか疑われているこの日本で、法律の専門教育を受けたことのない市民が刑事裁判に関わることはいささか無謀の誹りを免れないのではないか。 民事訴訟ならば「市民の常識」に活躍のチャンスは大いにあるだろう。 市民参加には最も相応しい裁判ではないか?
民事訴訟にこそ裁判員制度を! もっともこうした裁判にこそ市民の目を向けさせたくないのが国家権力というものなのかも知れませんが…。
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コメント
政府、いや製薬業界を監督する旧厚生省の責任「だけ」を追求しての裁判としては、こういう結論がむしろ正しいと私は考えます。84年当時私は中学生でしたが、まだ「C型肝炎」という疾病の病原もはっきりしておらず、「ノンA・ノンB型肝炎」と漠然と総称されてました。ただ、輸入血液製剤がどうもあやしいとのことで、血液製剤製造をまかなえるよう、ずいぶんと熱心に献血推進がなさていたのは記憶にあります。(そして、旗をふれども国民が応じず……という時期が長く続いていました)
故意もしくは重大な過失があってはじめて行政に責任が生じるのですから、「C型肝炎の疫学的な因果関係が学会で認識されてから」が、民事訴訟の大原則に照らして、正しい判断といわねばなりません。
(その後、長い間知らせず病状を悪化させた、という無為への責任はありますが)
だからこそ、福祉としての政治決断が必要なのではないでしょうか
投稿: デルタ | 2007年12月15日 (土) 02時35分