イラクの地位協定交渉に注目!
今年いっぱいで米軍のイラク占領を容認した国連決議1546が失効する。今後の米軍占領を合法化するためにイラク政府との間で結ぼうとしている地位協定の交渉が難航しているようだ。
地位協定修正案、イラクが米に提出【ワシントン=黒瀬悦成】ブッシュ米大統領は29日、記者団に対し、イラク駐留米軍の駐留継続に向けた米・イラク両政府による地位協定案の修正案をイラク政府から同日受け取ったことを明らかにした。
大統領は、「協定の基本原則を損ねない範囲で、有益かつ建設的に対応したい」と述べた上で、協定成立の見通しを「非常に楽観視している」と強調した。
米政府当局者によると、ブッシュ政権は修正案の中身を検討した上で、早ければ1週間後にもイラク側に修正の可否について回答する。AP通信によると、イラク政府はイラク国内で犯罪を行った米兵の処遇など4項目について修正を要求している。
一方、国防総省のジェフ・モレル報道官は29日、協定が年内に成立せず、来年以降、駐留米軍がイラクで作戦行動を実施する法的根拠を失う事態となれば、武装勢力が巻き返し、「これまでの(治安改善の)成果が吹き飛ぶ恐れもある」と改めて警告した。
(2008年10月30日12時22分 読売新聞)
交渉内容が明らかにはなっていませんが、パトリック・コバーン記者が入手した協定案によると、①58カ所の米軍基地の恒久化、②米軍関係者や民間軍事業者への免責特権、③イラク政府の承認なしに自由に軍事作戦を実行する権利や④イラク上空の制空権などを求めていたそうですが、今回の修正案には26日に米軍がイラク内の基地からからシリアへ越境し子供4人を含む8人の民間人(米軍はアルカイダだと主張している)を殺害した件からか、越境攻撃を禁止する条項が含まれているという。
ブッシュ政権はマリキ政権に、500億ドルのイラク資産を没収するとか、米軍がいなくなって困るのはお前達だろうとの脅しをかけて条約締結を迫っていたようだが、いくら傀儡でも売国政権の烙印を押されるリスクは逡巡するに十分なようだし、11月4日には大統領選挙で、オバマは大統領になったら撤退すると主張しているのだから、米軍の足場も弱く、受け入れるとしてもイラク側には安売りする必要は薄いのかもしれない。
この地位協定の話は重要さに比較して報道が少ないように思うのだが、それにしてもこの交渉はサンフランシスコ講和条約、日米安保条約、地位協定と続く日本の過去の歴史との類似性に気付かされる。しかしマリキ政権が米軍の占領を終わらせ、独立国としてやっていくというイラク国民の願いを無視できる状況にないことはますますはっきりしてきている。アメリカがイラク戦争開戦の時に「歴史には民主化された日本という良い見本がある」とか何とか言っていた言葉が思い出されるのだが、日本国民に嘘をついてまでアメリカに貢いでくれる政治家や従順な国民というのはとても希有なことだと多分思い知ることになるのだろう。 米軍や傭兵の免責も簡単には認められるものではない。あれだけ簡単にイラク人を殺してきたのだから独立国としては免責なんてトンでもないというのが当然だ。得意の密約で米兵の裁判権を放棄していた日本政府(自民党政権)とは大違いだ。
最近の麻生総理と自民党は是が非でも政権交代を阻止したいとの祈るような思いがビンビンと私に伝わってくる。それはそうだ、密約がばれたら売国奴と呼ばれても仕方ないようなことを続けてきたのだ。身内にそうした人物を抱えている政治家達にとっては破滅の一歩手前と言うことだろう。私は世界経済がドウタラコウタラというのは本心では重要なことではないと思っているに違いないと信じている。歴代政権と外務省をはじめとする官僚とで秘匿してきた密約の存在が政権交代で暴かれることが何よりも彼らを再起不能にする。それが一番恐ろしいのだろう。
来るべき総選挙では日米関係のこれからが本当の争点になると思う。過去の総括ができなければ日本の未来も描けにのではないかと最近は思う。
Democracy Now のサイトでコバーン記者のインタビューが視聴できます。 今年の6月に収録されていることに驚きませんか?
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