制裁強化も限界浮き彫り=中ロの抵抗根強く-対北決議案
【ニューヨーク10日時事】日米韓と英仏中ロの7カ国が最終合意した対北決議案は、2006年の決議1718を「ベース」(外交筋)に、北朝鮮による武器輸出の全面禁止や援助の停止、貨物検査などを盛り込み、制裁を強化した。ただ、多くの措置について加盟各国に厳格な履行義務を課しておらず、安保理による対北制裁の限界も浮き彫りにした。
最大の柱である武器禁輸は、当初案では北朝鮮による輸入も全面的に禁じると定めていた。しかし、北朝鮮への武器供給国の一角であるロシアなどの反対を受け、小型武器の輸入は容認することになった。
貨物検査は最後まで米中間の懸案として残った。当初案は「強制的な貨物検査」(臨検)の実施を各国に許可するとしていたが、中国が「武力衝突を招く恐れがある」と反発。米国は、公海上では船舶の所属国の同意が必要との条件を付けることに同意し、臨検を断念。さらに各国への検査実施の義務付けも見送る妥協を強いられたもようだ。
決議案に盛り込まれた追加措置のうち、各国に履行義務の生じる厳密な意味での追加制裁は、北朝鮮による武器輸出の全面禁止などにとどまる。しかも、これを阻止する手段である貨物検査に関する表現は、中国の抵抗を受け決議1718と大きく違わない程度にまで表現を弱められた。
実効性を確保するには、米国などが中ロに絶えず外交的働き掛けを行い、決議の履行を訴える必要がありそうだ。(2009/06/10-23:13)
上の記事のような見方が日本では一般的だ。つまり、北朝鮮の核実験とミサイル開発に関して日本が強硬に制裁措置を主張し、それにアメリカと韓国が同調し、中国が渋っていると。 日本の報道に接している限りではそうなんだけれど、実際のところアメリカはそれほど単純な動きをしていないのではないか? 外交は常に落とし処を探りつつ進めるものだとも言われる。 基本的にはアメリカは北朝鮮の核は話し合いを通じて解決したいと望んでいるし、拘束されている二人の女性記者のこともある。未だその意思を捨てたと見るのは早計過ぎるように思うのだが・・・。
そう考えてみると、さすがに韓国の記者は良いところを突いてきてくれる。
準備万端のゴア訪朝、北の反応待ち
北朝鮮に抑留されている米国人記者2人の釈放問題で、米国は北朝鮮の反応を見守っている。米政府は2人が所属するメディア「カレントTV」の会長を務めるゴア元米副大統領や米国で北朝鮮専門家として知られるリチャードソン・ニューメキシコ州知事の訪朝を提案し、北朝鮮の回答を待っている状態だ。
これに関連し、米CNNテレビは8日、北朝鮮はまだ回答していないと報じた。しかし、記者2人の裁判が完了しているため、オバマ政権関係者は北朝鮮が訪朝提案を受け入れるとみているもようだ。ゴア元副大統領は先月、「(釈放に向けては)訪朝を含め、どんなことでもできる。しかし、北朝鮮は別の種類の国家であり、訪朝しても効果がないこともあり得る」と述べている。
現在、オバマ政権は米国人記者抑留事件が長期化することを懸念する一方で、二つの解決原則を明確にしている。韓国系のユナ・リー記者(36)、中国系のローラ・リン記者(32)の抑留事件は、人道主義の原則に基づき解決されるべきで、他の問題と関連付けてはならないという点だ。
ホワイトハウスのギブス報道官は8日、「記者の抑留は他の問題と関連付けられたものではなく、北朝鮮がそういう対応を取らないことを希望する」と述べた。
また、米国務省のケリー報道官は「全ての裁判手続きが完了した以上、純粋に人道的見地から彼らが釈放されるべき時だと考える」と指摘した。
米国がこうした原則を明確にしたのは、米国人記者の釈放を対北朝鮮制裁緩和などと関連付けた場合、悪しき前例を残すことになるためだ。今回の問題を政治的に解決した場合、世界で活動中の米国人が他の「不良国家」やテロリストの標的になる可能性もある。米国はイランに抑留された日系米国人記者ロクサナ・サベリさんが裁判直後に釈放されたことを強調し、同じ形式で問題が解決されることを希望している。
-略-
ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
北朝鮮がアメリカとの直接交渉を望んでいるのは間違いないところだと思うが、アメリカとしては二人の記者の解放に対する見返りと国際社会に受け取られることがあってはならないと言うことだ。そのための根回しが出来るほどの大物(アメリカにとっても北朝鮮にとっても)を派遣することを考えていると言うことだ。北朝鮮にとっては大ばくちでもアメリカにとっては中東やイラン問題の前の小うるさいハエに過ぎない。それでも戦争で片をつけることをアメリカは望んでいないと言うことだろう。
日本では拉致問題と関連づけられて語られることの多い「テロ支援国家」指定問題についても同じ記者が興味深い記事を書いている。「テロ支援国家」に指定したら喜び、解除したら落胆する。そんなご都合主義的な問題ではないのです。
対北制裁:米国務省、テロ支援国再指定めぐり論争
オバマ米政権が北朝鮮の相次ぐ挑発行為をコントロールする手段として、北朝鮮をテロ支援国家に再び指定する問題で苦心している。
米国務省のケリー報道官は先月26日、ブリーフィングでテロ支援国家再指定の可能性を問う質問に対し、「われわれはいくつかの(政策的)選択を検討している」と答え、この問題に火を付けた。クリントン国務長官が7日、ABCテレビとのインタビューで再指定を考慮していることを明言。クリントン長官は、「明確に(非核化)目的のために北朝鮮をテロ支援国家リストから除外したが、その目的がまさに北朝鮮の行動によって挫折している」として、その理由を説明した。
しかし国務省は8日、北朝鮮をテロ支援国家に再指定する問題は議会の要請に従うものとし、一歩後退した雰囲気だ。クリントン長官のテロ支援国家再指定検討発言がマスコミに主要ニュースとして取り上げられると、「北朝鮮をテロ支援国家に再指定するには、必ず法的手続きが伴わなければならない」と公式の立場も発表された。
国務省内のこのような論争は、北朝鮮をテロ支援国家に再指定する問題をどの視点から見るかという問題に起因する。大きな枠の政治的な視点から見る人たちは、北朝鮮が非核化を履行する条件としてテロ支援国家指定を解除したため、事実上非核化の合意を破棄した北朝鮮を再指定できるという立場にある。
これに対し、北朝鮮問題を担当する実務関係者や法律専門家らは、北朝鮮が最近明らかに国家的テロ行為に関連した証拠が見当たらないため、不可能だと指摘する。ややもすると、北朝鮮を法的根拠なしに恣意(しい)的にテロ支援国家に再指定したという批判を受け、国際社会はもちろん、米国内の進歩勢力に批判の口実を与えるというわけだ。
ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
オバマ政権の国務省は首尾一貫性を重視するようで、ブッシュ時代のようにはダブルスタンダードを屁とも思わない人たちではないらしい。恣意的にテロ国家に指定したり解除したりしてはアメリカの正当性が揺らぐと考える人たちと思われる。これをアメリカの弱さだと考えることは危険で、尾を踏まれたときには迷わず襲いかかることもあり得ると言うことでもある。それでなくてもオバマは弱腰とチェイニーのような人たちから批判され続けているのだから。そのあたりをやせ衰えた金正日がコントロールしていけるのかどうかが重要で、心配なところでもあるのだ。
日本では小泉訪朝以来、拉致問題一色で経済制裁を叫ぶ記事しか見られなくなってしまっているのが嘆かわしい。韓国の記者は政権に食い込んで良い分析記事を書いてくれている。
もっと頑張ってよ、日本の記者も!
そもそも記事に署名がないというのが根本的に間違っているかも?
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