警察国家は望みません!
奈良県の高校三年生が駅のホームで同級生に刺されて死亡したという事件が報じられている。残念ながらこうした事件はそう珍しいとも言えない事件となっているので、続報を待つのみという気分なのですが、気になるのは凶器の方なのです。
報道によると凶器は刃渡り16センチの包丁で、橿原市内のホームセンターで最近買っておいたものだというではありませんか。一方ではダガーナイフ所持禁止の話で大騒ぎなのですよ。変だと思いませんか?
【北海道】ダガーナイフなど両刃の剣の所持を禁止した改正銃刀法施行の猶予期間が7月4日に切れるのを前に、道警釧路方面本部生活安全課は1日、カキなどの殻むき用ナイフも回収対象となる事例が出たことを発表した。カキ産地として知られる厚岸町などが管内にあり、同課では「業務用でも5日以降は処分対象」と警告している。改正銃刀法では(1)左右の均整が取れた両刃(2)刃渡り5・5センチ以上(3)先端部が著しく鋭い--の3条件を満たす剣型刃物の所持を禁じており、違反の場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。先月、釧路管内の住民が殻むきナイフ1本について、同方面本部に確認を求めたところ、これも回収対象に加えられた。
同課が先月下旬から、約200軒の生産者を抱える厚岸漁協(釧路管内厚岸町)などに周知を進めた結果、回収対象の殻むきナイフはなかった。しかし、産地とあって漁業者以外にも所持者は多く、今回、回収対象のナイフを持ち込んだのも一般人だった。同課は「対象かどうか微妙なケースも多く、疑問があればまず最寄りの警察署へ」と呼び掛けている。【山田泰雄】
(毎日新聞)2009年7月2日
まるでダガーナイフさえ市民から取り上げてしまえば殺人事件はなくなるような騒ぎですが、何のことはないホームセンターで買った包丁でも人を殺せるではありませんか。--当たり前なんですがね。 北海道では特産の牡蠣の殻をむくナイフまでがそれに当たるとか何とか言って大騒ぎなのですが、馬鹿らしいというか罪作りな法律をつくってしまったものです。
他方、国会では児童ポルノ禁止法の改正案を審議しています。自民党と公明党の案では「単純所持」も処罰されるために警察などの自由裁量が大きくなりすぎることが心配されている。 児童に対する性的虐待は許されないと言うことは分かるのですが、画像を所持することがそんなに問題だというのがよく分からない。勿論、画像の作成過程自体に虐待が関連している場合は犯罪だし、そうしたものを流通させることも犯罪を助長させるもので処罰対象にすべきだというのは理解できるのですが、所持しているだけの人を処罰できるようにすることは大いに疑問だ。 それは、牡蠣の殻を剥くためのナイフを持っているだけで処罰対象になるというのと同じで、そうすることで何が良くなると言うのかがさっぱり分からない。ただただ警察にお伺いを立てなければならない事項を増やしているに過ぎないのではないか?
刑法には次のような箇所があると教えてもらいました。
第38条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。
別に法律に詳しいわけではありませんので間違えているかもしれませんが、ただ「ダガーナイフを持っていただけ」でとか、ただ「子供が裸の写真を持っていただけ」で処罰するというのは刑法第38条からの逸脱だと思う。--イヤ、そんな写真をうっとり眺めている姿を想像すると薄気味悪いとは思うのですよ--でも、所持しているだけでしょう・・・。 「裸の宮沢りえ」だって17歳数ヶ月と18歳とでどんな違いがあるのでしょうか?大まじめで議論していることそのものが滑稽とは思わないのでしょうか?芸術かどうかなんて議論も噴飯もので、自分の性癖がアブノーマルなものではないと言い訳してるだけ。 やはり、罪を犯す意思を立証できない行為は処罰できないものだと思うのです。
何らかの犯罪に関連しただけで所持なり所有なりをそれだけで処罰していくことを可能としていくと、ダガーナイフの次は「刃渡り16センチ以上の包丁」は所持禁止、「果物ナイフ」は所持禁止、「金属バット」は所持禁止、ついでに交通事故の原因になるから「自動車」禁止、飛行機も落ちるから「航空機」禁止と際限がないではないですか!
「犯罪を犯す意思がない行為は、罰しない。」という刑法の原則を再認識すべき時だと思いませんか? ナイフにせよ児童ポルノにせよ所持しているだけで処罰出来るようにしてしまっては警察権力の肥大化を招くだけで有害無益だと思う。平時には実際に市民と接する警察官も適用して良いものかどうか悩むようなツマラン規制ですが、しかしいざという時には警察の思うがままに誰でも捕まえることが出来る万能の武器に変わりうる。そんな変な法律はやめましょう。
私は警察国家は望みません!
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