2009年11月17日 (火)

「北朝鮮との交渉」が必要との認識がようやく!

「拉致解決交渉も重要」と蓮池透さんが札幌での講演で語ったそうです。

 拉致被害者家族連絡会の元事務局長で、対北制裁論から交渉重視へ転換した蓮池透さん(54)の講演会「対話による拉致の真の解決にむけて」(全印総連札幌地連主催)が札幌市北区で開かれ、約280人が参加した。

 蓮池さんは冒頭、32年前の11月15日に横田めぐみさんが拉致されたことを紹介。これまでの政府の拉致対策について「北朝鮮に制裁をしたことを言い訳にして宣伝することで、タフで面倒な交渉を回避した」と批判した。

 米国が北朝鮮に拘束されていた女性記者2人の解放に成功した例を挙げ、「米国は非を認め、恩赦を求めた。北朝鮮のプライドを傷つけなかったから成功した」と交渉の大切さを強調。「日朝平壌宣言にあるように、日本側から過去の清算について具体的に何をやるかを示すことで、北朝鮮に行動を促すべきだ」と訴えた。(青木美希)
(11/16 14:39) 北海道新聞


 経済制裁で北朝鮮が折れてくるような幻想を振りまいて、結局何もしなかった自民党政権が倒れて民主党政権が成立し、アメリカのオバマ政権も交渉へ向かおうとしている時流の中で、蓮池透さんのような「交渉による解決」との意見がようやく日の目を見るようになってきたと感じています。

 「北朝鮮のプライド」なんて言い方はちょっと前なら袋叩きものだったと思います。透さんが比較的早く「経済制裁の不毛さ」に気付いたのは多分、薫さんの家族達から直接北朝鮮国民の考え方を知らされたからだろうと想像しています。世論というものがない北朝鮮ではありますが、国民の考え方と全く離れて金正日政権の政策が形成されていると考えるのも現実を見損ないます。

 北朝鮮の安全保障、核兵器放棄、経済援助(戦後賠償)、拉致問題の再調査・解明は日本として一体のものになると思う。勿論交渉でしか何も始まらない。

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2009年11月15日 (日)

オバマ演説をどう見ました?

 昨日のオバマ演説はサントリーホールだったそうですが、招かれた人達はそれだけで大変名誉に感じ、まるでアメリカ市民になった錯覚にすら陥っていたのではないでしょうか? スタンディング・オベーションなんかも揃ってやっていましたが、日本の総理演説に対しては「まるでナチスみたいだ」なんて悪口を言っていた人達も喜んで立ち上がって拍手していたようです。演説途中に入る拍手も通訳が終わる前に良いタイミングでなされていましたので、サクラか演出者の存在を感じてしまいました。オバマ大統領も気持ちよさそうでした。多分アメリカ人よりも日本人の方が共感を持って演説を受け止めてくれている事が伝わっている。

 皮肉で始めてしまいましたが、かく言う私もつい聞き惚れてしまった者の一人です。語り口も上手いし振り返ってみて内容も良かったと思います。自民党もマスコミ各社も揃って「普天間移転を早く受け入れないと大変なことになる」と国民を脅すような意見を吐き続けていますが、世界はもっと大きな変化を遂げようとしているとの感を強くしました。普天間が例え従前通りの計画で決着を見たとしても早晩大きな変更を余儀なくされると感じました。

 オバマは選挙中にイラクからの撤兵とアフガニスタンへの介入強化を主張していました。私は両方からの撤兵を主張したのでは選挙を勝てないとみての方便ではと観ているのですが、方便ではなく本気でテロとの戦いを意識しているとしても軍の要求する4万人の増派を決断できないでいるのは、それで勝てるとは確信できないからでしょう。extremists(過激派)という言葉を使ったのもアフガニスタンにおいてはタリバンを過激派とそうでない派とに分けて考えていることを示唆していると思うし、タリバンが政権に入ることをも既に想定して脚抜きを考えているとすら思える。 それを言い出せないのは、今引いたらアフガニスタンどころか核保有国のパキスタンまでが崩壊しかねないからであり、アメリカの威信は崩壊しイスラエルの安全も保証できなくなり、ひいてはサウジまでもがひっくり返ってしまいかねないからだろう。

 引くに引けずに本当に困っているのだと思う。--その原因を作ったブッシュと小泉は日本シリーズの始球式何ぞをやっているのですから暢気なものです。--だから、アラビア海での給油は帰ってもらって構わないし、5年間で4500億円というアフガン支援策を歓迎しているのだと思う。本気で脚抜けのために協力してもらいたいと思っているのだ。軍事オプションで解決がつかないことは思い知っている。65年間実戦から遠ざかっていた自衛隊では無理なことも重々知っている。日本には知恵を貸して欲しいのだ。民生を安定させる知恵と金と汗を望んでいるのだ。そう思いますよ。

 2国間関係に加え、多国間の組織の成長が、地域の安全保障と繁栄を前進させるとわれわれは信じている。米国がこの数年、これら多国間の組織から距離を置いていたことを私は知っている。はっきりさせよう。そうした日々は終わった。アジア太平洋の国家として、米国は地域の未来の在り方をめぐる議論に関与し、こうした組織が創設され発展するに従い、適切な組織に全面的に参加していく。(共同通信訳)
 私は以前、自民党は「抱きつき戦略」だったと言ったけれど、アメリカに抱きついて中国の台頭に対処していこうという自民党が考えてきた日米同盟はここで完全に否定されたと観る。「従属」していたと言われるとアメリカは怒るのだそうだけれど、都合良くアメリカを利用してきたのは日本の方だという思いもアメリカにはあるという。日本の為に「中国封じ込めなんかはしませんよー」との宣言だし、アジア各国とも関係を深めていくと言っている。しかもここで言われているのは軍事的存在感ではなくて経済だ。何より「雇用戦略」だと言っている。こんなアメリカなら私も歓迎する。

 核兵器廃絶に関するアメリカの立場は何とか筋が通ってきた。NPTの取り決めに立ち返ること--すべての国が原子力を平和的に利用する権利を持ち、核保有国は核軍縮に取り組む責任があり、非核保有国は核兵器を放棄し続ける責任がある--が改めて宣言された。 北朝鮮もイランも一筋縄ではいかない。核兵器保有の意志があるだろうイランに平和利用のみを受け入れさせるためにはイスラエルの核兵器を廃棄させるというハードルも当然持ち上がってくる。これをアメリカは越えられるのかどうか、難しいところだ。 北朝鮮は経済的な破綻が酷すぎる。しかし、現体制維持のためには経済に力をさいている余裕がない。経済援助を受け入れる余裕すらなくしているのでは?と感じる。核兵器廃棄の説得と経済援助が対になるが、安全保障の約束を信じる基盤があるかどうか? かなり飛躍かもしれないけれど、金正日政権の安全保障のために海兵隊を沖縄からグアムかハワイにひくという選択もあり得るかもしれない。軍は反対するだろうけれど、政治的にはあり得ると思う。

 ミャンマーの軍事政権とも交渉をしていくことになりそうで、経済封鎖は解かれるのだろう。イランへも北朝鮮へも経済制裁を加えてきたけれど、その効果は無かったと言うことだ。少なくとも有効に作用しなかったという結論になりそうだ。 交渉するのであれば日本の出る幕もあるのではないかと思いました。

 こうやって振り返ってみても、オバマ演説のすばらしさに比較して現実政治の難しさは想像以上だと思う。しかし希望が見えてきたというのも事実です。軍事オプションを持たない日本にこそ協力して欲しいことがたくさん出現していると思います。「普天間が、普天間が・・」と繰り言を言っている自民党政治から頭が切り替わらない人には見えてこないところでしょうけれど・・・。

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2009年11月 8日 (日)

北朝鮮政策は転換する!

 床屋のご主人も注目していたNHKスペシャル「秘録 日朝交渉~知られざる“核”の攻防~」を見終えました。 --金正日総書記は何を考えているのか。日朝首脳会談を核問題の視点から検証。会談の極秘資料を手がかりに日本と国際社会が、いま北朝鮮とどう向き合えばよいのかを考える。--のだそうですが、「極秘資料」なるものを「公開」して、しかも外務省の新旧幹部を「出演させ」て、何を言いたいのか?と、裏事情の方が気になってしまうのですが・・・。

 西山事件では、今は存在していない「極秘メモ」の漏洩なるもので毎日新聞記者の社会的生命を奪った外務省幹部が、「極秘資料」を前にし平然とインタビューに応じているくらいですから、何らかの意図を持って作られた番組であることはあきらかだと思う。 余り深くは考えないことにしますが、密約問題の調査を命じられている外務省が長年の自民党政権下で行ってきた外交交渉をこれからの民主党政権下で行われるであろう方針にすりあわせていく作業と言うことが出来るだろう。自己弁護であり自己正当化であると言える。 「六者協議」は我々が言い出したことだ--なんてところは自慢の域に達していますね。

 中で特に面白かったのが小泉総理と金正日とのやりとりのところ。「アメリカは先制攻撃の意図は持っていない」なんて主張していたのですね。 `;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!! 「おまえが言うなよ!」って、つい突っ込みを入れていました。 「武装解除して核も持っていなかったからイラクはやられた」って金正日は認識しているのに、「サダム・フセインは大量破壊兵器を持っていないことを証明していない」としてブッシュの戦争を先頭に立って支持した小泉が言うか?? (゚Д゚)ハァ? よく言えるよなー

 動機は十分不純だとは思うが、行われようとしている方針転換は正しいと思う。鳩山首相の所信表明演説にあったように「日朝平壌宣言」に立ち返ると言うことです。 番組内で得意そうに語っていた安倍晋三氏が推進してきた「経済制裁」一辺倒の方針を翻すという宣言である。 拉致問題は朝鮮半島の非核化と国交正常化、経済援助(北朝鮮側からは植民地時代の賠償)を絡めた交渉の中で解決を目指す方針に変更すると言うことです。 ですから、この番組はこうした方向転換のための世論に対する地ならしと言えるのではないでしょうか?

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2009年6月13日 (土)

チキンレースはいい加減にやめろよ北朝鮮!

 鳩山総務相が事実上更迭された。株主である政府の監督官庁たる総務大臣が再任を認めないというのだから西川氏が辞任するのが筋だと思うのだがそうはならなかった。後任が見つかれば西川辞任の線もあり得たが財界が後任を出さない事を決めている時点で勝負あったと言うことか?前回の衆院選が郵政民営化是か非かを争点として大勝利している以上、新社長が官僚では選挙は戦えないと感じた議員が多いとしても無理はない。 別に鳩山氏が更迭されたのが惜しいと思う者ではないが、かんぽの宿問題で人気を得た鳩山邦夫が先走りしてカードを明かしてしまったところに敗因がありそうだ。後継社長を見付けてから再任を認めないとブチ上げるべきで、見つからなければ再任に条件をつけることでメンツは立ったのだ。最初にブチ上げてしまえば引くに引けない状況に陥ってしまう。

 鳩山総務相が更迭に到るニュースを北朝鮮の最近の動きと似ているなーとずっと気にしていました。イヤ、鳩山や麻生が困っても知ったことではないのですが、北朝鮮の行動は大問題を引き起こしかねない。そして、最近の北朝鮮にはチキンレースをやっているとの認識を持って、コントロールしている人間がいるのかどうか心配になってくる。

 核開発もミサイル開発も莫大な資金が必要で、日本のどの一県よりも小さいくらいのGDPで、国民を飢えさせて本当に続けられるのかという疑問が常にある。そうやって援助を得られると考えているとしたら、それ自体が尋常ではない。 先日は開城工業団地での賃金を4倍に上げろとか新たに土地の使用料として5億ドルを支払えと要求しているという。これなんかも無茶な要求と言うよりも「だから言わんこっちゃない」というようなものに見えてくる。もう苦し紛れと言うことで、自分たちの窮状を白状しているに等しいように思うのだが。

 明らかにチキンレースを仕掛けている方が恐怖に気が狂ってきているとしか思えない。こちらが自制しなければ行き着くところまで行きそうな気配を感じる。

 今日未明の国連安保理で新たな決議が採択された。中国が反対したからだと報道されているが、貨物検査が「義務」ではなく「要請」に押さえられた事で、ひとまず北朝鮮政府に方向を変えるなりブレーキを踏むなりの道を残したという意味で歓迎したい。しかし、この機会を生かすだけの力が金正日にあるのかどうか心配なところだ。この決議に再度の核実験やミサイル発射で答えてきたときにはどうするのか?

米大使「いちいち仕返しせず」=対北朝鮮、新たな挑発でも追加制裁に慎重?

 【ニューヨーク12日時事】米国のライス国連大使は12日、国連安保理による対北朝鮮制裁決議採択後、ホワイトハウスで記者会見し、北朝鮮が3度目の核実験や弾道ミサイル発射を強行した場合の対応について、「挑発行為に対しその都度仕返しするつもりはない」と述べた。安保理による追加の制裁措置に慎重な姿勢を示唆したとみられる。
 同大使はまた、さらなる挑発があっても「(制裁の)完全履行実現に集中的に取り組むことになる」と強調。制裁決議を採択したばかりであるため、決議に盛られた既存制裁の履行徹底を図る方が効果的との認識を示した。
 一方、高須幸雄大使もニューヨークでの記者会見で「何か事があるたびに決議を通すのが実際的なのか、という気はする」と指摘。外交筋によれば、日本は3度目の核実験があれば安保理に緊急会合開催を要請する方針だが、具体的にどういった対応を求めるかは不透明だ。 (2009/06/13-10:08)


 今の時点で、核実験やミサイル発射をされても「追加制裁に慎重」とのメッセージを出すことが良いとは思えないのだが、とにもかくにもアメリカはこれ以上北朝鮮を追い詰めたくないとの意志を示したと思う。しかしこの政策をオバマ政権が継続していけるかどうかも北朝鮮の出方に掛かっている。 そして、それを読めるだけの指導部が北朝鮮にあるのかどうか?

 戦争も北朝鮮政府の崩壊も大災厄だ。しかしどちらの可能性も本気で考えておかなければならない時が来たように思う。

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2009年6月11日 (木)

もっと頑張ってよ、日本の記者も!

制裁強化も限界浮き彫り=中ロの抵抗根強く-対北決議案

 【ニューヨーク10日時事】日米韓と英仏中ロの7カ国が最終合意した対北決議案は、2006年の決議1718を「ベース」(外交筋)に、北朝鮮による武器輸出の全面禁止や援助の停止、貨物検査などを盛り込み、制裁を強化した。ただ、多くの措置について加盟各国に厳格な履行義務を課しておらず、安保理による対北制裁の限界も浮き彫りにした。
 最大の柱である武器禁輸は、当初案では北朝鮮による輸入も全面的に禁じると定めていた。しかし、北朝鮮への武器供給国の一角であるロシアなどの反対を受け、小型武器の輸入は容認することになった。
 貨物検査は最後まで米中間の懸案として残った。当初案は「強制的な貨物検査」(臨検)の実施を各国に許可するとしていたが、中国が「武力衝突を招く恐れがある」と反発。米国は、公海上では船舶の所属国の同意が必要との条件を付けることに同意し、臨検を断念。さらに各国への検査実施の義務付けも見送る妥協を強いられたもようだ。
 決議案に盛り込まれた追加措置のうち、各国に履行義務の生じる厳密な意味での追加制裁は、北朝鮮による武器輸出の全面禁止などにとどまる。しかも、これを阻止する手段である貨物検査に関する表現は、中国の抵抗を受け決議1718と大きく違わない程度にまで表現を弱められた。
 実効性を確保するには、米国などが中ロに絶えず外交的働き掛けを行い、決議の履行を訴える必要がありそうだ。(2009/06/10-23:13)


 上の記事のような見方が日本では一般的だ。つまり、北朝鮮の核実験とミサイル開発に関して日本が強硬に制裁措置を主張し、それにアメリカと韓国が同調し、中国が渋っていると。 日本の報道に接している限りではそうなんだけれど、実際のところアメリカはそれほど単純な動きをしていないのではないか? 外交は常に落とし処を探りつつ進めるものだとも言われる。 基本的にはアメリカは北朝鮮の核は話し合いを通じて解決したいと望んでいるし、拘束されている二人の女性記者のこともある。未だその意思を捨てたと見るのは早計過ぎるように思うのだが・・・。

 そう考えてみると、さすがに韓国の記者は良いところを突いてきてくれる。

準備万端のゴア訪朝、北の反応待ち

 北朝鮮に抑留されている米国人記者2人の釈放問題で、米国は北朝鮮の反応を見守っている。米政府は2人が所属するメディア「カレントTV」の会長を務めるゴア元米副大統領や米国で北朝鮮専門家として知られるリチャードソン・ニューメキシコ州知事の訪朝を提案し、北朝鮮の回答を待っている状態だ。

 これに関連し、米CNNテレビは8日、北朝鮮はまだ回答していないと報じた。しかし、記者2人の裁判が完了しているため、オバマ政権関係者は北朝鮮が訪朝提案を受け入れるとみているもようだ。ゴア元副大統領は先月、「(釈放に向けては)訪朝を含め、どんなことでもできる。しかし、北朝鮮は別の種類の国家であり、訪朝しても効果がないこともあり得る」と述べている。

 現在、オバマ政権は米国人記者抑留事件が長期化することを懸念する一方で、二つの解決原則を明確にしている。韓国系のユナ・リー記者(36)、中国系のローラ・リン記者(32)の抑留事件は、人道主義の原則に基づき解決されるべきで、他の問題と関連付けてはならないという点だ。

 ホワイトハウスのギブス報道官は8日、「記者の抑留は他の問題と関連付けられたものではなく、北朝鮮がそういう対応を取らないことを希望する」と述べた。

 また、米国務省のケリー報道官は「全ての裁判手続きが完了した以上、純粋に人道的見地から彼らが釈放されるべき時だと考える」と指摘した。

 米国がこうした原則を明確にしたのは、米国人記者の釈放を対北朝鮮制裁緩和などと関連付けた場合、悪しき前例を残すことになるためだ。今回の問題を政治的に解決した場合、世界で活動中の米国人が他の「不良国家」やテロリストの標的になる可能性もある。米国はイランに抑留された日系米国人記者ロクサナ・サベリさんが裁判直後に釈放されたことを強調し、同じ形式で問題が解決されることを希望している。

-略-

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


 北朝鮮がアメリカとの直接交渉を望んでいるのは間違いないところだと思うが、アメリカとしては二人の記者の解放に対する見返りと国際社会に受け取られることがあってはならないと言うことだ。そのための根回しが出来るほどの大物(アメリカにとっても北朝鮮にとっても)を派遣することを考えていると言うことだ。北朝鮮にとっては大ばくちでもアメリカにとっては中東やイラン問題の前の小うるさいハエに過ぎない。それでも戦争で片をつけることをアメリカは望んでいないと言うことだろう。

 日本では拉致問題と関連づけられて語られることの多い「テロ支援国家」指定問題についても同じ記者が興味深い記事を書いている。「テロ支援国家」に指定したら喜び、解除したら落胆する。そんなご都合主義的な問題ではないのです。

対北制裁:米国務省、テロ支援国再指定めぐり論争

 オバマ米政権が北朝鮮の相次ぐ挑発行為をコントロールする手段として、北朝鮮をテロ支援国家に再び指定する問題で苦心している。

 米国務省のケリー報道官は先月26日、ブリーフィングでテロ支援国家再指定の可能性を問う質問に対し、「われわれはいくつかの(政策的)選択を検討している」と答え、この問題に火を付けた。クリントン国務長官が7日、ABCテレビとのインタビューで再指定を考慮していることを明言。クリントン長官は、「明確に(非核化)目的のために北朝鮮をテロ支援国家リストから除外したが、その目的がまさに北朝鮮の行動によって挫折している」として、その理由を説明した。

 しかし国務省は8日、北朝鮮をテロ支援国家に再指定する問題は議会の要請に従うものとし、一歩後退した雰囲気だ。クリントン長官のテロ支援国家再指定検討発言がマスコミに主要ニュースとして取り上げられると、「北朝鮮をテロ支援国家に再指定するには、必ず法的手続きが伴わなければならない」と公式の立場も発表された。

 国務省内のこのような論争は、北朝鮮をテロ支援国家に再指定する問題をどの視点から見るかという問題に起因する。大きな枠の政治的な視点から見る人たちは、北朝鮮が非核化を履行する条件としてテロ支援国家指定を解除したため、事実上非核化の合意を破棄した北朝鮮を再指定できるという立場にある。

 これに対し、北朝鮮問題を担当する実務関係者や法律専門家らは、北朝鮮が最近明らかに国家的テロ行為に関連した証拠が見当たらないため、不可能だと指摘する。ややもすると、北朝鮮を法的根拠なしに恣意(しい)的にテロ支援国家に再指定したという批判を受け、国際社会はもちろん、米国内の進歩勢力に批判の口実を与えるというわけだ。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


 オバマ政権の国務省は首尾一貫性を重視するようで、ブッシュ時代のようにはダブルスタンダードを屁とも思わない人たちではないらしい。恣意的にテロ国家に指定したり解除したりしてはアメリカの正当性が揺らぐと考える人たちと思われる。これをアメリカの弱さだと考えることは危険で、尾を踏まれたときには迷わず襲いかかることもあり得ると言うことでもある。それでなくてもオバマは弱腰とチェイニーのような人たちから批判され続けているのだから。そのあたりをやせ衰えた金正日がコントロールしていけるのかどうかが重要で、心配なところでもあるのだ。

 日本では小泉訪朝以来、拉致問題一色で経済制裁を叫ぶ記事しか見られなくなってしまっているのが嘆かわしい。韓国の記者は政権に食い込んで良い分析記事を書いてくれている。

もっと頑張ってよ、日本の記者も!
そもそも記事に署名がないというのが根本的に間違っているかも?

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2009年5月27日 (水)

北朝鮮の核実験とオバマ演説

 北朝鮮が25日に2回目の核実験をした。前回は不完全と言われていた核爆発が今回は地震波の大きさから判断して完成させてきた見込みが強い。ミサイル実験も継続しているので急いで核保有国としての体裁を整えつつあることを認識しなければならない。

 「許し難い暴挙」と非難してみても彼らは核保有国への歩みを止めることはないだろう。しかし「理解しがたい行動をする国」と言ってすましていることは出来ない。今後は安保理で新しい決議を採択する方向に進むのだろうが、それによってどうした事態が引き起こされるのかを見極める必要がある。

 まず、北朝鮮の行動が「理解しがたい」ままでは如何にもまずい。経済援助狙いの瀬戸際政策というのが一番ポピュラーな見方だと思うが、援助する方だってそんなにお人好しではないし、援助される方もそれが分からないほど馬鹿ではない。イヤ、だから理解しがたいと言うのでしょうが、別の角度から見てみると見えてくることもある。日本人の場合はとりわけ拉致された家族達の憎しみから距離を置いてみることが必要だ。

 何度か書いてきたところですが、北朝鮮は「アメリカが恐ろしくて仕方がない」のだと言うことが大事です。「ならず者国家」と言われるほどには強力ではない。南北統一を目指して自分から仕掛けた戦争とはいえ朝鮮戦争で一度は破滅の瀬戸際まで追い詰められた国であり、アメリカによって核兵器の使用を現実に検討された国でもある。そして現在も飢え死にしそうな国民を抱え、駐韓米軍と非武装地帯を挟んで対峙し、海側から日本の自衛隊と米軍によって包囲されているちっぽけな国だ。こうした恐怖感が「強盛大国」だとか「先軍政治」だとかの馬鹿げた大言壮語の陰にあると言うことを知らなければならない。

 私たち日本人は60数年前にアメリカと戦い、国土を焼け野原にされ、広島と長崎に核爆弾を実際に使われた国民なのですが、占領政策が余程巧妙だった為か、日本の政治家の飼い慣らしに成功したためか、実質的に占領が続いているにもかかわらずアメリカを憎いとも、怖いとも思わない国民となってしまっている。広島と長崎に原爆を落としたアメリカをはじめとする核大国の安保理常任理事国と一緒になって、核実験をした北朝鮮を一所懸命非難するというのは考えてみると不思議な図だ。

 オバマ大統領はプラハで「核兵器のない世界を目指す」との演説を行った。画期的なことだと思うし、実現してほしい理想だとは思うが、その論理はそんなに簡単に受け入れられるものではないと思う。何よりこの主張をする国が散々核兵器をつくり配備してきた国であり、散々他国に軍事介入を繰り返してきた国であるからだ。大国同士がお互いに破滅しないように、管理しやすいように核兵器と運搬手段を減らしていくことは良いでしょう。しかしこれは次の核拡散を防ぐ為の行動に対する正当性の補強の意味が強いのだと思う。散々勝手をしてきた国が、他国に核開発の停止を強制していくためにはそれくらいのことはしなければ格好がつかないと言うことだ。--ちょっと皮肉が過ぎたかもしれませんが、プラハ演説の肝は核兵器の廃絶の方にあるのではなく、核拡散をどうやって防いでいくかの方にあると見ます。オバマはプラハでの演説で次のように言っています。

 核実験の世界規模での禁止のため、私の政権は、直ちにかつ強力に、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を目指す。50年以上の協議を経た今、核実験はいよいよ禁止される時だ。

 核兵器に必要な材料を遮断するため、米国は、核兵器用の核分裂性物質の生産を検証可能な方法で禁止する新条約(カットオフ条約)を目指す。核兵器の拡散を本気で止めようとするなら、核兵器級に特化した物質生産に終止符を打つべきだ。

 次に、我々は核不拡散条約(NPT)を強化する。国際的な査察を強化するために(国際原子力機関〈IAEA〉に)さらなる資源と権限が必要だ。規則を破ったり、理由なくNPTから脱退しようとしたりする国に、すぐに実のある措置をとる必要がある。民生用原子力協力のため、国際的な核燃料バンクを含む、新たな枠組みを作り、核拡散の危険を増すことなしに原子力利用ができるようすべきだ。 (朝日新聞)

 と、力強く言うのですが、ここには平和的利用を認めたNPT体制ではインドもパキスタンもイランだって北朝鮮だって核保有することを止めることが出来なかったし、出来ないというアメリカの苦境が滲み出ている。そうした平和利用に限定した燃料の枠組みが出来ることは好ましいとは思うけれど、燃料供給を大国に依存することの危険をどう考えるかという問題もある。信用されるような行動を過去にとってきたかと言うことを自分の胸に聞いてみれば分かると思うけど・・・。そもそもCTBTはアメリカをはじめとする核保有国がどこも批准して来なかったのだから、せめて「批准してから言いなさい」ってところだろう。

 アメリカが「核兵器の先制使用をしない」宣言というのをしているのだから安心して核開発を止めなさいと言う議論がある。国際関係のなかでは日本は比較的約束を守るし、アメリカに対する警戒感も薄いのでこうした宣言を高く評価する傾向にあるが、この議論は世界標準ではないだろう。宣言はその国の意思に依存するもので何時又撤回されるか分かったものではないのだ。相手に頼り切っている国のなかだけで通じる議論だ。

 北朝鮮が自分達のアメリカに対する恐怖感から核開発を進めてきたというのは理解できる。イラクのフセイン大統領の末路を見せつけられれば尚更だ。しかし、それにしても最近の行動は性急すぎて慎重さを欠いている。これでは中国を苦況に追い込むだけで良い結果は得られないと思う。それにオバマを甘く見るのは危険だ。核拡散防止の決意を世界の前で宣言した事が米朝二国間の交渉に応じるという方針を採りにくくする面がある。つまり強硬姿勢に転じる恐れが常にあると言うことだ。韓国、中国、ロシアが国境を接しているので、いきなり軍事行動と言うことは考えにくいが、甘いカードは切りにくくなっているのが現状だ。PSI(大量破壊兵器拡散防止構想)による臨検から暴発という自体も考えられなくはない。アメリカは真珠湾攻撃の時のように先に戦端を開かせておいて報復攻撃に持って行くというのが得意だから、中国の黙認があればやりかねないと言うことぐらいは考えておくべきだ。

それにしても、強硬カードの出し合いで戦争なんて言う事態はお互い避けるべきだ。日本政府にも慎重に行動してもらいたい。

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2009年4月20日 (月)

デヴィ夫人に天晴れ!

 見直しました、デヴィ夫人。右翼とトラブルになり 街宣車に植木鉢を投げつけたとか…。

 デヴィ・スカルノ元インドネシア大統領夫人(69)が、東京都内の自宅に右翼活動家の街宣を受けた際、街宣車に植木鉢を投げ付けトラブルになっていたことが20日、分かった。

 警視庁渋谷署などが詳しい状況を調べている。

 警視庁によると、19日午前9時半ごろ、右翼活動家の男性が、北朝鮮が5日に発射したミサイルに関するデヴィ夫人の発言に抗議するため、東京都渋谷区の自宅前で街宣活動をした。この際、デヴィ夫人が2階から植木鉢3個を投げ、街宣車が破損。もみ合いとなり、デヴィ夫人のカメラも壊れるなどした。

 男性はデヴィ夫人が、北朝鮮のミサイルについて「(ミサイルではなく)人工衛星なのに、日本は騒ぎすぎだ」などと発言したとして抗議を行っていたという。2009/04/20 13:33 【共同通信】


 右翼もびっくりしたろうけれど、それにしても何をやってるのか? いくらスカルノ元大統領夫人とはいえほとんどタレントでしょう。公式な場に呼んでくれる国はもうほとんどないのではないでしょうか?--失礼_(._.)_ そんな人に街宣車を繰り出してどうしようって言うのヨ?

 デヴィ夫人の言うことは世界の常識で、ロケットでもミサイルでも良いけれど600キロ以上も上空を飛んでいくものに大騒ぎしているのは日本くらいで、笑われるかそうでなかったらその意図を警戒されるくらいのものだ。 と、思ったら、早速あの中川(酒)議員が「核に対抗できるのは核」と騒ぎ出している。

 中川氏は「核の議論をすることと核を持つことは全く別問題。相手が核を持った時には核シェルターも必要でしょうし、放射能を浴びないための医療措置も必要だ」と持論を展開。「彼らは予告なしにいつでも撃ってくるという体制に一歩近づいた。われわれは、常にこのことを議論していかなければならない」と述べた。中川氏は自民党政調会長を務めていた2006年10月にも同様の考えを述べている。 (04/19 21:51、04/20 06:53 更新) 北海道新聞
 見かけは強硬派ぶるけれど本質的に弱虫の政治家の言を真に受けるのはやめましょうね。金正日が日本や日本の米軍基地に攻撃を仕掛けてきたときは北朝鮮滅亡の時だと言うことを世界中の政治家は知っている。北朝鮮が核やミサイルに執着するのは金正日達がまさしく「彼らは予告なしにいつでも撃ってくる」と恐れているからだ(この場合の彼らとはアメリカのことだ)。それ位の事は軍事力や経済力を冷静に比較できる政治家なら誰でも分かることだ。北朝鮮の核が使われるとしたら、北朝鮮が自壊するときか自壊してテロリストの手に渡ったときと考えられている。だからアメリカをはじめとする周辺国は北朝鮮の崩壊を望まないと言うことで利害が一致している。その上で見返りを与えてでも核開発とミサイル開発をやめさせようとしているのだ。 だから、政治家たるものはいたずらに危機感を煽るのではなくどうやって北朝鮮に核兵器開発をやめさせるかを周辺国とともに追求することだ。北朝鮮が平和裏に国際社会に復帰できれば拉致問題も解決できるはずで、逆はあり得ないと言うのも世界の常識ではないのか?

 弱虫が騒ぎ立てると思えば、今度は金の亡者が踊り出すと言う図だろうね。

全国瞬時警報システム 政府、年度内に整備 (04/19 07:07) 北海道新聞

 政府は十八日、住民に津波警報などの危機情報を即座に伝える「全国瞬時警報システム(Jアラート)」を、本年度中に全市区町村で整備する方針を決めた。北朝鮮のミサイル発射で危機管理問題への関心が急速に高まる一方、Jアラートの整備率の低さが浮き彫りになり、全国的な整備が必要と判断した。

 二〇〇九年度補正予算案に関連経費百十億円を盛り込む方針だ。

 総務省消防庁によると、Jアラートを整備済みの自治体は、今年四月一日現在で全国千八百市区町村のうち二百十一で、整備率は全体の12%にすぎない。道内は北斗市と釧路管内浜中町だけ。整備率が低いため、政府は北朝鮮のミサイル発射の際は使用を見送った。

 Jアラートは速報性に加え、自治体職員を介さずに二十四時間体制で運用できる利点がある。一方、設置には一自治体あたり七百万円程度がかかるため、財政が厳しい自治体は二の足を踏んでいる。

 ただ、ミサイル発射では住民周知がテレビやラジオ頼みだったこともあり、政府は全額国費による整備に踏み切ることにした。

 政府が住民に危険情報を伝えるシステムには、自治体向けにメールを一斉送信する「Em-Net(エムネット)」があるが、情報を住民に伝えるかどうかは自治体に委ねられている。政府は「Jアラート整備で複数のシステムを確保し、危機情報の伝達を確実にしたい」(総務省幹部)と話している。


 Jアラートなるものに金をかける意味があるのか? 1自治体当たり700万円をかけて通知してもらってそれで住民にどうすれというの? もしミサイルが日本めがけて発射されたとしてどのくらいの時間的余裕があるのか?第1どこへ避難すれというのか? 中距離ミサイルが隣国から飛んでくるとしたら避難している暇はないだろう。全国民が核シェルターを用意しておけとでも言うの? 全然現実的でないと思う。 結局はまずJアラートでITゼネコンが大儲けして、次はシェルター掘りで土建屋が大儲けと言うところか?

 北海道では北斗市と浜中町に設置されているって言うのですが、何でここだけが設置したのでしょうか?どちらもミサイルの標的にはなりそうもない町のように思うのですが…。札幌だとか旭川だとか、もっと大きな都市があるのですが設置していないと言うことは、全然費用対効果が見込めないからではないでしょうか?

 先日のミサイル騒ぎで大騒ぎしたPAC-3だって、射程20キロと言うけれど、水平方向にカバーできる範囲はせいぜい4キロ程度と言われている。都市を守るとしたら気が遠くなるような数を要することになる。そんなことは軍人も政治家も当然不可能だと分かっている。通常は報復能力を守るために軍事基地周辺を守るというのが常識だ。

 とにかく日本国民は正確な情報を与えられていない。とりわけ軍事面では。
 北朝鮮のミサイル問題では世界中に恥をさらした面もあるけれど、これを機会に正確な情報を基に防衛問題の議論を深めていきたいところだ。酔っぱらい政治家や何かと理由を見つけて公共投資を引き出そうとの政治家に踊らされることがあってはなりません。そんな余裕はもう日本にもないはずなんです。

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2009年4月 4日 (土)

テポドンなんて全然脅威じゃない!!

 寝ぼけた頭でNHKラジオのニュースを聞いていると、『「人工衛星打ち上げ」と称する弾道ミサイル打ち上げ』と言う聞き慣れない言い方をしていてる。言い方はともかく、各社ともそんな言い方に統一したようでそちらの足並みのそろえ片の方が気味悪い。

 このブログを書いている間にもテポドン2は発射されているかもしれない。どれほどの事が起こりどうした対応を政府が見せ、マスコミが見せてくれるのか興味深いことだ。

 昨日は田舎に帰っていたのですが、年寄りもあまり不安がっている人はいなかった。「本当に危ないの?」と聞いてくる人ばかりで政府やマスコミの危機を煽るやり方に踊らされているような人はいなかった。それはそうで、この人達は空襲も艦砲射撃も機銃掃射も実際に経験しているのでロケットが上を飛んでいくくらいのことでは驚くはずもないのだ。本当に危険ならどうやって身の安全を図るかの方針と行動が示されるはずで、なんらの身の処し方も示されないと言うことは危険でないということだと思っている。

 今更、政府の大騒ぎやマスコミの煽りを批判しても始まらないので、ここではアメリカの考えていることを見てみたい。

(CNN) ゲーツ米国防長官は29日、FOXニュースに対して、北朝鮮が「人工衛星」名目で来月4─8日に予定しているロケット打ち上げは軍事力強化が狙いだと明言した。

ゲーツ長官によると、米政府高官レベルは、北朝鮮のロケット打ち上げ技術が大陸間弾道ミサイル開発の隠れみのであると認識。米国はこうしたミサイルへの核弾頭搭載が、北朝鮮の長期的目標だと見ている。ただし同長官は、現時点で北朝鮮にその能力があるかは「個人的に疑問」だとコメントした。

ゲーツ長官はまた、北朝鮮が今後ハワイもしくは米西部に到達するミサイルを開発した場合、米軍がミサイル迎撃態勢を整える可能性をにじませた。ただし同長官は「現時点でそうした計画はないと思う」と慎重姿勢を示し、現在の北朝鮮の軍事技術ではアラスカや太平洋沿岸まで到達するミサイルの開発は不可能との見解を表明した。

 アメリカ政府は冷静に対応している。北朝鮮がアメリカ本土に届くミサイルを開発中であることはすでに織り込み済みで、むしろどの程度の軍事技術を手にしているのかの情報収集の機会と思っている。またミサイル技術が完成したとしても核爆弾を完成させ、ミサイルに搭載可能なまで小型化するまでには時間的な余裕がまだあると見ているのだろう。現実にその技術を開発したとして配備し運用していくだけの経済力が欠けていることも理解している。

 昨夕、TBSの番組ではCIAの極東ブロックの元責任者(?)が出て話していた。
① テポドンは軍事的な脅威ではない。--地上で何日もかけて組み立てなければならないものは軍事には使えない。
② テポドンは日本には脅威ではない。--到達距離が長すぎて日本に向けて撃っても日本を越えてしまう。
③ 日本にとって脅威なのはノドンである。そしてそれはすでに300基が配備済みである。--ノドンに搭載可能な核弾頭の開発が次にくる本当の脅威だ。

 実に単刀直入に話してくれたので、誰でも理解が可能でしょう。番組のあとの方ではこの人が拉致家族会の横田夫妻と話しているところが映されていた。横田夫妻はどうやって経済制裁を日本政府に続けさせるかにすっかり執心してしまっているのでどこまで理解できたか分からないが、アメリカ側が横田夫妻に直接話していること自体が私には、アメリカ側の日本政府の対応の拙さに対する苛立ちの現れと見えた。つまり、アメリカにとっては核問題が最重要で6カ国協議も進展させたいのに、肝心の日本政府は拉致問題で経済制裁を強化することから離れられないのがじれったいと言うこと。日本国民にとって拉致問題が重要だというのは分かるけれど、拉致問題が解決しなければ核問題に関する交渉も進展させないということは国際的には許されないことなのだ。日本政府がどこまで感じているか分からないが、アメリカ政府は拉致家族会と横田夫妻を重荷に感じていることは間違いないと思う。

 北朝鮮と金正日政権を嫌っている人は沢山いるでしょう、でもアメリカは近づきつつある後継者問題をどう考えているのか? 一日も早く北朝鮮が崩壊することを望んでいると思っているのでしょうか? ここのところに拉致家族会がまともな政治家からの情報を得ていないことが伺われるのです。 フォーリン・アフェアーズ誌3月号WEB版より引用します。

 われわれは3つの緊急事態をシナリオとして指摘した。もちろん、これ以外にも数多くのシナリオが考えられる。しかし、短期的にみて、もっとも重要なのは指導者の後継問題だ。第1は管理された権力継承プロセスがスムーズに進むこと。第2は後継をめぐって権力抗争が展開されること。そして第3が、権力継承がうまくいかないことだ。

① 管理されたスムーズな権力継承

 誰もが知るとおり、権力継承プロセスは現時点でも進行している。これは、「金正日の息子の一人が後継者となるか」、あるいは、「複数の高官と、おそらくは名目上の指導者となる息子の一人をメンバーとする集団指導体制が確立される」というシナリオだ。この場合、どちらのケースであっても、現体制を存続していくことが重視されるだろう。

 こうした体制の北朝鮮であっても、われわれにとって問題をつくり出すことになると思われる。だが、平壌の新しい指導者が様々な案件をめぐってこれまでとは異なる認識を持つようになる可能性もある。例えば、経済を開放することにもっと前向きになるかもしれない。はっきりとしたことは言えないが、われわれにとって、権力の継承がスムーズにいくことが、もっとも頭痛が少なくて済むシナリオだろう。

② 権力抗争―社会崩壊―中韓への難民流出へ

 より厄介なのは、平壌の派閥、あるいは特定の個人が、後継問題、権力継承プロセスを絶対権力を手にするための機会とみなし、権力抗争を開始することだ。

 今すぐにでもそうした事態に陥るとは思えないが、権力移行期に続いてこうした抗争が起きることも考えられる。実際、軍や情報機関内の派閥は今後に向けた思惑をそれぞれ持っている。権力抗争、それも暴力的な抗争が起きる可能性も排除すべきではない。

 このシナリオは、アメリカと同盟国にとって、一連の意味合いと課題を伴う。われわれは、突発的な事態が引き起こす対外的余波と当該国に渦巻く内的圧力を区別しがちだが、この二つは密接に関連している。

 さまざまな集団が権力抗争を展開し、社会秩序が崩壊するような事態に陥れば、われわれは北朝鮮からの大規模な難民流出という事態に直面する。おそらく難民の多くは、国境線の垣根が低い中国へと向かうだろうが、一方で、韓国へと向かう難民も少なからずいるだろう。

 国境地帯で挑発的な軍事行動がとられる可能性もある。北朝鮮軍内部で何が起きているかを突き止めようとする周辺国の治安部隊、情報収集部隊と北朝鮮軍の小競り合いが予期せぬ形でエスカレートしていく危険がある。

 北朝鮮内部からは韓国、あるいは中国に助けを求める声も出てくるだろうし、この場合、アメリカは大きな試練にさらされる。緊急人道支援が必要になるだけでなく、危機的な状況のなか、北朝鮮が保有する様々な大量破壊兵器の管理体制が維持されるかどうかを懸念しなければならなくなるからだ。

 最悪のシナリオは、特定の勢力が大量破壊兵器を管理下に置き、これを使用することだ。危機のなかで、こうした問題の全てが一気に表面化する恐れがある。

③ 権力継承プロセスの破綻―米韓の介入

 権力継承プロセスが破綻すれば、誰も指導者がいない状態になり、国全体が極端に緊張し、混乱した状態に置かれる。

 外に対して虚勢をはるものの、北朝鮮はとても弱い国だ。慢性的な食糧不足、その他の生活必需品の欠乏に苦しんでいる。この上、政治的管理(統治)体制が崩壊すれば、情勢が一気に流動化し、北朝鮮が破綻国家への坂道を転げ落ちる危険がある。

 この場合、人道的支援を提供し、社会秩序を維持し、大量破壊兵器の安全を確保するために介入を求める圧力が高まってくる。そして、朝鮮半島統一の可能性が視野に入ってくれば、すべての必要性と課題が、「半島の統一」というレンズを通して捉えられるようになる。

CFミーティング
北朝鮮が権力継承に失敗すれば……
   
パネリスト  
ポール・B・スターレス CFR紛争予防担当シニア・フェロー
スコット・A・スナイダー CFR朝鮮半島研究非常勤シニア・フェロー
司会  
アニア・シュメマン CFRコミュニケーションディレクター

 アメリカ政府そのものというわけではないのですが、これから分かることはアメリカとしては北朝鮮が破綻せず混乱せず、スムーズに後継者へ引き継がれていくことを最も好ましいことだと考えていると言うことです。経済制裁で国家を破綻させようと考えている政治家ばかりに見える日本とは違っていると言うことです。拉致問題に対するリップサービス(必ずしもリップサービスばかりだとは思いませんが国益として核問題よりも拉致問題の方を優先する政治家はアメリカにはいない)を真に受けて政策を遂行していってはいけない。 無駄な期待を拉致家族達に持たせることも本当は惨いことだと思う。核問題を解決する交渉の中で拉致問題も解決していくしかないことを正直に説明すべきだ。

 私たちは日本政府の言うことやマスコミの煽り立てるとおりに世界が動くと思うわけにはいきません。「迎撃する」と言ってみたり「安保理にかける」と叫んだり「経済制裁を強化する」と勇ましい限りですが、実際にどれほどのことが出来る環境(国際的)にあるのかは疑問である。

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2008年5月 9日 (金)

横田夫妻とキム・ヘギョンの面会実現か?

 今朝の読売トップは意外にも胡錦涛ではなく北朝鮮、「横田さん夫妻、孫娘と韓国で面会案…政府が李政権に仲介要請」との記事でした。

 日本政府が、拉致被害者の横田めぐみさんの娘や元夫と、めぐみさんの両親との面会を韓国内で実現できるよう韓国政府に北朝鮮との仲介を要請していたことがわかった。

 日本側は面会が実現すれば、めぐみさんの「遺骨」として北朝鮮から提供された別人の骨を返還する考えも示した。日韓関係筋が8日明らかにした。拉致問題を巡る日朝交渉が進展しない中、現状を打破するには、日本側から踏み込んだ提案をする必要があると判断したとみられる。

 日韓関係筋によると、拉致問題担当の中山恭子首相補佐官が先月25日、ソウルを訪問した際に韓国政府高官に要請した。

 韓国と北朝鮮は年数回の南北離散家族再会事業で、韓国人拉致被害者と韓国内の肉親との対面の場を設けている。中山補佐官は同事業の場を借り、横田滋さん(75)、早紀江さん(72)夫妻と、めぐみさんの元夫、金英男(キムヨンナム)さん(46)、娘のキム・ヘギョンさん(20)を面会させる案を提示した。

 金英男さんは一昨年6月、北朝鮮・金剛山で開かれた同事業で、母の崔桂月(チェケウォル)さん(80)らと再会した際、めぐみさんについて「1994年に自殺した」などと説明。滋さん夫妻に、死亡の経緯を話したいとして訪朝を呼びかけていた。

 滋さん夫妻は呼びかけに応じない意向を見せていたが、日本政府と協議を重ねた結果、監視の目がある北朝鮮ではなく、韓国でなら面談する意向を示した。対面時には、日本政府代表団が2004年11月の訪朝で受け取った遺骨も、英男さんに返すことも決めた。 (2008年5月9日03時06分 読売新聞)


 以前から横田夫妻が孫娘と会わないことを不思議に思っていたので面会することは大賛成だ。会うことを妨げるどんな事情があったのかは分からないが、一時帰国とされた5人を返さなかったことで政府間の信頼関係は崩れ、交渉は頓挫してしまっていた。日本は経済制裁で金正日政権が潰れると信じていた向きもあったが、アメリカの姿勢転換もあり諦めざるを得ない。

 今回の日本政府の要請は北朝鮮への強硬姿勢で総理の座を射止めた安倍晋三政権の崩壊の影響が大きいと思う。遺骨を返すことなども実際上は北朝鮮に頭を下げることに等しいと思うのだが、現政権はそれにも耐える決心をしているようだ。効果の怪しい経済制裁を続け、国際社会に通用しないやり方でDNA鑑定結果を主張し続けた安倍政権のやり方から日本政府は方向転換をすることを決めたようだ。

 また昔のように金正日に金や食料を巻き上げられるのではと思うと腹も立つが、拉致問題を解決するためには話し合うことが必要なことは明らかだ。北朝鮮に丸め込まれると心配しすぎるのも逆に情けない。国際社会に正当性の証明を北朝鮮以上に上手くやらなければならないだけのこと。そして、子どもを拉致された肉親のことば以上に強力な武器があるのか?これで丸め込まれるなら外務省そして日本政府は無能であることを国民の前にそして全世界に証明することになるだけだ。

 相手が北朝鮮だけにそう簡単にことは進まないだろうが、北朝鮮にとっても自分たちが拉致してきた娘の子どもと祖父母との再会を妨げる理由を見つけることはそう簡単ことではない。韓国での面会が実現することを願っている。

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2007年11月25日 (日)

横田滋氏退任で少し動き始めるか?

 拉致被害者家族会の代表を10年間務めてきた横田滋氏が退任し、田口八重子さんの兄飯塚繁雄氏が新会長に就いたと報道された。余り健康そうには見受けられない身体を押して各地を飛び回っておられたのでさぞかし大変だったろうと想像している。しかし肝心の北朝鮮との交渉は全く動かない状態のままである。拉致の象徴である「めぐみ」さんの親として、拉致家族会の会長として気持ちのままには動けないことも多かったと想像されるが、さて退任したことによって事態は動き始めるだろうか?

 日本政府に経済制裁を続けさせ、アメリカにテロ支援国家の指定を解除させないという要求は実質反故にされつつある。ブッシュ政権が金正日政権存続に舵を切りつつある以上、経済制裁で政権を崩壊させるという筋書きを信じている人は自民党内でも少数だろう。拉致家族会が早晩邪魔者扱いされる日が来るのではないかとすら危惧している。

 北朝鮮問題は交渉で解決していくことに舵が切られたのだから、拉致家族会という一民間団体がその流れに竿を差し続けることは出来ないのではないか。交渉の流れに乗り、日本政府に力を尽くさせることを考える必要がある。

 第一は、横田氏が代表を退いた機会に、キム・ヘギョンの糸を手繰ってはどうか?アメリカも核問題が最優先とは言え人権問題は捨ててはおけないのだから、傍観すると言うことはまずあり得ない。

 第二に、「よど号ハイジャック犯」の帰国問題を進めてはどうか?これはヒル次官補も触れていたし、北朝鮮としても解決したい問題である。アメリカにとってもテロ支援国家指定解除の為に越えなければならないハードルでもあるのだし、家族会にとっても有本恵子さん達の拉致に関係していたことは間違いないのだろうから進展の糸口にはなるだろう。

 一般的な外交に於いてもそうかも知れないが、とりわけ拉致問題に関しては真実がどうということよりも、どういう落としどころを見つけるかという事の方が多分重要になるのだろうと思っている。赤軍派に罪を被って貰って、金正日の責任を免罪するという筋書きが描かれるかも知れないが、それで家族が帰されるならそれも悪くないではないか?

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